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2012年10月27日

マルメロとヒトラー

いよいよ明日10月28日から冬時間。
日本との時差は8時間になります。(ハンガリーが8時間遅れ、日本の午後8時がハンガリーの正午です)

さて、今日は秋の味覚について。
今が旬の果物birsalmaです。

大きさがわかるようにマッチ箱を置きました
私はカリンだと思っていたのですが、調べるとbirsalmaのラテン語名はCydonia oblonga、和名はマルメロだそうです。
マルメロって初めて聞いたわ~。

で、このbirsalma(birsと呼ぶこともある)ですが、そのままだと硬くて酸味も強く食べられないので、砂糖、レモン汁、シナモン、クローヴ、白ワインで柔らかく煮てコンポートにします。
これがねっとりと濃厚な舌触りで美味しいんですよ♪

で、今日もbirsalmaを2キロ買ってきてコンポートを作ったわけですが、夫が「今度はこれでチーズ作って」とわけのわからんことを言いやがりました。(すみません、言葉が乱れてます)
ハンガリー語でbirsalmasajt(birsalma=マルメロ、sajt=チーズ)と言うのですが、果物でチーズなんか作れるの?

よく聞くと、このbirsalmaをたっぷりの砂糖で柔らかく煮て(果物の重量に対して砂糖は60%~80%だそうな・・・甘過ぎるやろ~!)フードプロセッサーでつぶしてよく混ぜてから耐熱容器に入れて冷ますと固まるそうです。
そらそうやんなあ、それだけ砂糖入れたら。

参考画像↓
画像はhttp://www.nosalty.huから拝借しました
これをマルメロチーズと呼ぶそうな。

わけわからんなあ、と言うと夫は誇らしげに「別の名前もあるんだよ。ヒトラーのベーコン(Hitlerszalonna)って言うんだ」とますますわけのわからんことを言い出しました。
はあ? チーズの次はベーコン?

「それはね、第2次世界大戦でドイツ軍がハンガリー軍に肉を与えなかったからだよ」

はあ? 意味わからん。

「第2次世界大戦まではハンガリー軍はオーストリアから食料の供給を受けていて、兵士達は常に良質の肉の燻製(ベーコン)を与えられていたんだ。
第2次大戦でハンガリーはナチス側についた。でもドイツ軍はハンガリーに肉を与えなかった。それでハンガリー兵士は栄養失調にならないようにマルメロチーズを携行したんだよ。
だからベーコンのことはcsászárszalonna(皇帝のベーコン:császár=皇帝、szalonna=ベーコン)って言うし、マルメロチーズをヒトラーのベーコンって呼ぶんだよ」

なるほど! ベーコンを見る度になぜ皇帝なのかとずっと疑問に思っていたけど、謎が解けました。
それにしてもヒトラーのベーコンって!(笑)

「ね、ヒトラーのベーコンってどんな味がするか興味ない? 作ってよ」

う~ん・・・まあ今日のところはコンポートにしときましょ。

2 件のコメント:

  1. バラードさん、こんにちわ。
    またまた一つ、得難い知識を有難うございます。

    この果物、以前から気にはなっていたのです。
    名前や調理法だけでなく、ベーコンのお話まで、とても興味深く読ませてもらいました。

    冬時間とともに、急に寒くなりましたね。お互い、体調管理に気をつけましょう。

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    1. Birsalmaは今が旬ですから、是非お試し下さい。
      りんごに負けないくらい栄養があって、この時期に食べると風邪をひきにくくなるそうですよ。

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