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2012年3月29日

エフゲニー•キーシン@ウィーン楽友協会

行ってきました~~~!





Dienstag, 27. März 2012
19:30 - Großer Saal
Interpreten: Jewgenij Kissin, Klavier
Programm:
Ludwig van Beethoven
Sonate für Klavier cis - Moll, op. 27/2 ("Mondschein-Sonate")
Samuel Barber
Sonate für Klavier es - Moll, op. 26
-------- Pause --------
Frédéric Chopin
Nocturne für Klavier As - Dur, op. 32/2
Sonate für Klavier Nr. 3 h - Moll, op. 58


キーシンがバーバーのソナタを弾くと聞いてからずっとずっと楽しみにしていました。
席は第1希望の2階席が取れなかったのでここです↓



前にママとセンセのお隣に座った時とほぼ同じ場所なので、今回もお近くかしらと思っていたら、お二人は私の斜め前の席でした。

月光ソナタは非常にゆったりしたテンポで始まりました。
強弱の幅が広くて、 あそこまでアクセントつける必要があるかな、と思う箇所も多かったです。
特に第3楽章の左手はちょっと強過ぎるような・・・でも私の席が近すぎるからかもしれません。
もう少し後ろの席、あるいは2階席ならバランスよく聴こえたかもなあ。

ところで第2楽章の途中から、やたらと左手で後頭部を触っていました。
あまりにも左手が動くので、「よくまあ弾きながらあれだけ頭を触れるものだ」と感心するほどでしたが、弾き終えて立ち上がった時に理由がわかりました。
髪の毛の左半分だけが大爆発!
しかしこの人って一体どうなってるんでしょう?
ピアノ弾きながら「あかん、左の毛ぇ爆発しとるがな」とわかるんでしょうか?(笑)
お辞儀をして舞台袖に入る時もずっと触っていました。

あ、そういえば月光を弾き終えたキーシンが袖に引っ込んだ直後、ステージ上の一番端っこ(袖に一番近い所)に座っていた人がさっと席を立って出て行ったのですが、あれラン・ランだったような気がします。
(後姿をチラッと見ただけだから確信は持てませんが・・・)
最後まで聴けばいいのに~。でも翌日本番だからそんな余裕ないのかなあ?

そしていよいよバーバー♪
ああ、もう・・・言葉がありません!
昨年末のイスラエルのリサイタルをネット配信で聴いて感動したのですが、実演はあれとは比べ物になりません。
とにかく音色が豊か、そして音量、なんとダイナミック!
ベートーヴェンでは気になった強い音がバーバーでは本当にしっくりして、あれ?もしかしてキーシンは最初の曲で会場の響きをチェックしてたの?なんて思うほどでした。
私は第2楽章が好きなのですが、キラキラして流れるようで本当に素晴らしかったです。
最終楽章のフーガはすごい迫力で、息をするのも忘れるほど。
鬼神キーシン健在や! と感心していたら、視界の角で何やら茶色いものがやたら動いてものすごく目障りなんです。
何やろ?と思って見たらキーちゃんママがノリノリで体を前後に動かしてたんですよ。
このa tempoの辺からなんですけど↓


8分音符に合わせて大きく揺れてはりました。
ママ、後ろの人の迷惑考えてませんね。 (笑)

休憩中の客席の様子


後半のショパンは、「ああ、キーシンって本当にショパンが大好きなのね」と改めて納得する演奏でした。
とても優しい音で始まったノクターン。
壮大で力強いソナタ。
キーシンのショパンを聴きながら「ああ、リスト様に聴かせたい」と何度も思いました。

リストの著作を読んで知ったことですが、ショパンの死後、リストは積極的にショパンの曲をプログラムに取り入れました。
ショパンの天才が世に忘れられないように、ショパンの愛国心を後世に伝えるために、そしてショパンの力強さを正しく理解させるために、リストはショパンを弾き続けました。
キーシンのショパンを聴いたら、リスト様はきっと「ありがとう、君は私の後継者だ」とおっしゃると思うのです。
ショパンが聴いたら「そんなガンガン弾かないでくれ」と思ったかもしれませんけど。

楽友協会の階段の踊り場にあるリスト像


アンコールは3曲。

ショパン:マズルカOp.67-4
ベートーヴェン:トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲
プロコフィエフ:「3つのオレンジの恋」より 行進曲

プロコフィエフを聴きながら、「ああ、この人は古典やロマン派もいいけど、今のピアノ用に書かれた曲、今のような大きな会場で演奏されることを想定して作られた曲が相応しい」と思いました。
今回のバーバーのソナタは数年前のプロコの8番同様に実に素晴らしい演奏で、今後もあれだけの演奏をするピアニストはなかなか現れないような気がします。

そういえば来シーズンはベートーヴェンのop.111を弾くそうで、今回感じた「ちょっとアクセント付け過ぎ?」がop.111ではどう出るか楽しみです。

楽屋にお邪魔した時のこととか、ウィーン旅行記とかも書きたいんですけど、明日からプロ野球始まるしイガー帰ってきたし、それどころじゃなくなりそうです。(笑)
甥用に撮ったウィーンの乗り物の写真&動画は近々アップする予定です。

滞在中はいいお天気でお花がとてもきれいでした

のぉみぃぃぃいい~~~!

キヨシには負けへんで~~~!

6 件のコメント:

  1. 左半分爆発に爆笑!見てみたかったなぁ~。
    バーバーもすごかったようでうらやましいです。

    そうそう。いま桜みたいなのとか、こぶし、レンギョウ等々、いっぱい
    咲いててきれいですよねー。
    でも、せっかくのキーちゃんリポートの最後に何故に能見ちゃん!?
    ま、明日からですけどね(笑)。
    マエケンもがんばれー!!

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    1. もうね、立ち上がった時に「うっわ~!」と思いましたよ。
      右は落ち着いてるのに左半分が大爆発。
      そら弾きながら押さえたなるわなあ、と思いました。
      バーバーは、あの難曲を弾きながらも左手は絶えず頭と鍵盤を行き来していたキーシンのテクニックにも感服しました。(笑)

      桜みたいな花はアーモンドでしょうか。
      春らしくいいお天気で嬉しいです。

      野球は・・・お互い勝ちが付きませんでしたねえ。(涙)

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  2. フランシス2012/03/30 9:14:00

    のぉみぃぃぃいい~~~!

    やっぱりバラードさんのブログは、こうでなくっちゃ。(笑)

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    1. 能見に勝ちを付けてあげたかった~~~!(涙)

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  3. たーさん2012/03/31 3:25:00

    視界の隅の茶色いものって!・笑
    なんか違うもの(虫系・・)を想像してしまいましたが・・
    ママお元気そうでよかったです。
    キーちゃんのショパン、プロコききたいなぁ~。
    ママノリノリ♪のバーバーも・・。
    日本滞在中もお会いすることなく ←そらそやろ!
    バラードさんのレポートが唯一の楽しみです・笑

    「髪型との戦い」はキーちゃんの一生の課題なのでしょうね・・
    意外にキーちゃんのやる気スイッチなのかも・・

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    1. いきなりですよ、視界の片隅で大きく揺れ動く謎の物体!
      まさかママの頭だなんて!!
      他の人ならまだしも、ママに向かって「じっとしてて下さい」なんていくら私でも言えません。(笑)

      あれだけ髪の爆発が気になるのなら、いっそグルダみたいに帽子かぶるとか、高校球児みたいに丸刈りにするとか、いくらでも方法はあるのにねえ。
      夫は「キーシン、生え際かなり危ないね」と自分のことは棚に上げて言ってました。
      爆発の悩みもそのうち自然解消されるかも。(笑)

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