これまでにも何度か書きましたが、ヨーロッパ諸国では「今日は○○という名前の日」と毎日名前がついていて、今日はマールトン(Márton、英語でMartin)の日です。
さて、このマールトンの日にはガチョウを食べるのが慣わしです。
聖マールトンの日にガチョウを食べない人はその後1年間飢える(Aki Szent Márton napján libát nem eszik, az egész évben éhezik)と言われるからです。
では、なぜガチョウを食べるんでしょう?
時は4世紀に遡ります。
ローマ属州パンノニア(現在のハンガリー)生まれの兵士マールトンは、雪の中で凍えていた半裸の物乞い自分の着ていたマントの半分を切って与えました。
その夜、マールトンの夢の中に、半分のマントをまとったイエス・キリストが現れて祝福をされました。
マールトンは聖人としての名が高まり、司教を依頼されたものの気が向かず、時のローマ皇帝の使いを拒んでガチョウ小屋に隠れました。
ところがガチョウが騒ぎ立てたため見つかり、司教になる羽目となりました。
以来、聖マールトンの日には、罰としてガチョウを食べることになったそうです。
「それはガチョウが可哀想、八つ当たりやん」と言うと「じゃあ君は1年間飢えてもいいっていうわけ? 僕は絶対に嫌だよ」とうるさい人がいるので、今日のお昼はガチョウにしました。
【材料】
ガチョウ(liba)のもも肉(mell)でも胸肉(comb)でもお好みで。
我が家はももと胸両方買いました。
玉ねぎ (hagyma) 3~4個
ニンニク (fokhagyma) 1個
塩、コショウ、パプリカ粉 適量
白ワイン(または水) 1カップ
【作り方】
~前日~
①ガチョウの肉を冷水でよく洗い、水気をふき取る。
②塩、コショウ、パプリカ粉、ニンニクをつぶしたものを混ぜて、肉によくすり込む。
③お皿に並べてラップで密閉して冷蔵庫で一晩寝かせる。
~当日~
④オーヴンを170℃に温める
⑤耐熱容器に油を塗って、肉を並べて(皮を上にする)、四つ切にした玉ねぎ、ニンニクを入れ、白ワインか水を入れて、アルミホイルできっちり包んでオーヴンで蒸し焼きにする。
⑥約1時間半~2時間で肉に火が通るので、柔らかくなったかどうか確認してホイルを外す。
⑦オーヴンを200℃に上げ、皮がカリカリになるまで焼く。
(皮から出た脂をかけながら焼くとよい)
付け合せは玉ねぎ入りマッシュポテト。
玉ねぎ3個分のみじん切りをたっぷりの油でよく炒め、茶色くなったら茹でたジャガイモを入れてつぶしながら混ぜて出来上がり。
なお、ガチョウを焼くと大量の脂が出ますが、ハンガリーでこれを捨てたら家庭内争議が起こります。
オーヴンから取り出したところ。皮から出た脂の中で肉が泳いでいます。 |
パンにこの脂をたっぷり塗って紫玉ねぎのスライスを載せたり、パプリカを振りかけて食べると「美味しい~~~~!」のだそうです。
私はパンに塗るのは御免ですが、この脂で作った炒め物はは美味しいです♪
そうそう、マールトンの日のガチョウは11月11日11時11分に食べるのが正式らしいのですが、日曜日は朝寝坊なので、食べたのは午後1時近くでした。
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